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2011年5月15日日曜日

「青空くん」の話

 自衛隊が集積した、山となった被災写真・・・私たちは、その救済に悪戦苦闘しています。その中で、とても印象的な写真がありました。青空を背景に元気いっぱいに微笑む、小さな男の子の写真です。傷んだ写真を見続けるのは、サルベージ側も辛いものがあります。そんな中で、洗浄後にロープに干された写真の中で輝いている、彼の幸せそうな笑顔は、私たちを勇気づけてくれるようになりました。

 いつともなく彼は、私たちの間で「青空くん」と呼ばれるようになりました。彼の無事を信じることが、私たちの密かな願いにもなりました。

 その後、「青空くん」の写真はたくさん見つかりました。ポイントはそれが、インクジェットだったと言う点です。これまでインクジェットプリンタで印刷された写真は、濡れに弱いと言われてきました。私たちもアドバイザーからは「インクジェットの被災写真はあきらめた方がよい」と言われていました。しかし、「青空くん」の写真は(他と比較してですが)あまりに状態がよかったので、学生ボランティアさんが、ちょっと洗わせてもらいました。すると驚いた事に、上手にやれば若干の色落ち程度で、むしろ普通の写真よりも状態よく洗浄できることが発見されたのです。

 こうして私たちは、これまでダメだと言われてきたインクジェットの写真を、大量にサルベージする事に成功しました。そして「青空くん」は、多くの被災写真の救世主になりました。

 この話には、後日談があります。あるテレビを見ていたボラさんが、その中に「青空くん」を見つけたのです。

 その番組は、山元町の小学校から子供たちが疎開する特集でした。そこに登場していた男の子は、写真より明らかに大きいものの、その笑顔はあきらかに「青空くん」のものでした。「彼が無事だった!」と、蜂の巣を突いたような大騒ぎになりました。「写真を確認しろ!」「テレビ局に電話だ」「写真を返せる!」と、現地派遣隊長も必死でした。




 番組では、彼の妹が亡くなったと報道されていました。サルベージした中には「おにいちゃん、おたんじょうびおめでとう」と書かれたケーキの写真があります。もしもその写真が本当に彼のものなら、私たちは何としても、絶対に彼に写真を返さないといけません。

 何とか疎開先と連絡がつき、「青空くん」は21日、山元に写真を取りに来てくれます(大複写会の日なのは偶然です^-^;)。無事だった彼に写真を渡す時に、君は被災写真のヒーローなんだよと、教えてあげようと思います。

 そして大事なのは、まだたくさんの「青空くん」が埋もれているという事です。彼は偶然テレビに出て、偶然見つけられたけど、同じように流されてしまって見つからない「思い出」が、被災アルバムの中にはたくさんあるはずです。もっともっと力を集めれば、もっとたくさんの「青空くん」に「思い出」を返せます。

ぜひ、皆さんの力をお貸し下さい m(__)m。

2011年5月11日水曜日

プロジェクト「思い出サルベージ・アルバム」 大洗浄・複写撮影会、ボランティア募集のお知らせ

(受付を終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございました。宿泊場所を追加するなどして20名まで拡大しましたが、参加できない方が出てしまいました。大変申し訳ありません。続・続々の開催も決まったので、引き続きなにとぞよろしくお願いいたします。)

この度の東日本大震災による津波で泥を被ったのは家だけではありません。思い出が詰まった一枚一枚にの写真も泥を泥をかぶってしまいました。その写真を、心をこめて泥を掃き、洗浄して複写し、今持ち主不明となっている写真を持ち主の手元に届ける、それを目的とした「思い出サルベージ」というボランティアがあります。

被災した写真は12万枚という膨大な枚数です。この12万枚を救うには、皆さんの、写真の愛好家・専門家のみなさんの助けが必要です。梅雨がきてしまうと被災写真の状態が悪化します。そのため、梅雨前に、被災写真を救う必要があるのです。

ぜひ宮城県山元町で、写真洗浄・複写のボランティアをわれわれといっしょにやりませんか? そして、被災地の被災地支援として、山元ほっき飯、亘理ホルモンも堪能しましょう。

日程:5/21(土)~5/22(日)
場所:山元町役場および周辺関連施設(地図)
募集人数:15名(先着順の予定)



スケジュール
5/21(土)

10:30 山元町役場駐車場集合(昼食持参にて現地集合)
11:00 ボランティア作業の場所に移動
11:30 泥履き講習・洗浄講習の後、作業開始
 ※適時、昼食休憩。音楽を楽しむイベントの可能性あり
 ※一部、展示会場への運搬をお手伝いいただく事があります。
18:00 作業終了。夕食会場へ
18:30 夕食
21:00 入浴
22:00 宿舎泊

5/22(日)
8:00 起床、朝食
9:00 大複写・撮影会
 ※適時休憩
13:00 終了、田園へ
13:30 田園にてほっき飯堪能会
14:30 作業可能な方のみ継続して複写撮影会
 ※ご帰宅の人は役場に移動し現地解散
 ※別のイベントを楽しむ可能性あり
17:00 作業終了、現地解散

持参が必要なもの
・カメラ(一眼レフであれば、望ましいですがコンデジでも大丈夫です。応相談)
・三脚
・薄手のビニール手袋。使い捨てタイプのもの
・洗たくばさみ、10個程度
・弁当(初日の昼食)
・上履き(必須。できれば運動靴)
・マスク(防塵マスクも良い)
・着替え、タオルなど身の周りのもの
・寝袋(応相談)
・ボランティア保険(災害)
・滞在費用

※現地までの交通費は自己負担でお願いします。宿泊費はかかりません。
※なお、JR常磐線亘理駅より代行バス(JR東日本)が出ていて、役場前(山下駅)まで運行しています。
※現地での食費は、立派な被災地支援。ホルモン2500円程度、ほっき飯1000円程度です。
※自家用車でいらっしゃる方も歓迎します。その場合宿舎が別で宿泊費がかかる事があります。これも被災地支援です。
※ボランティア保険に未加入の方は、居住地の社会福祉協議会で入ってくることをお勧めします。一度入れば来年3月末まで有効です。
※写真学校などの団体での参加を希望される場合は、申し込みの際その旨をお伝え下さい。

申込先:日本社会情報学会(JSIS-BJK)災害情報支援チーム(柴田)
 メール:kuniomi.shibataアットgmail.com
 twitter:@shiba_zemitter
 電話:090-5551-9272
 ※5月18日(水)までにお申し込みいただけると幸いです。

2011年5月10日火曜日

山下中の技術の授業




5月9日は、現地チームが山下中学校で技術の授業2コマを受け持ちました。
中学生の呑み込みの速さは驚きました。

近くの写真館の方からは、卒業アルバムのストックをデジタル化に利用してはどうか、という提案もいただきました。



「思い出サルベージ」とは何か、というお問い合わせをいただきます。活動の詳細は近日改めてご説明いたしますので、本日は概要をお伝えいたします。

活動のきっかけは、津波で流されたアルバムや写真が多数(12万枚!)あることでした。

みなさまご存知の通り、そのような写真を洗浄、乾燥して「保護」するという活動は、比較的早期から行われてきました。

しかしながら、アルバムに入った写真をアルバムから取り出して洗浄しようとすると、写真の表面が離れることも多く、洗浄が困難な写真をどうするか、という問題も持ち上がっております。

そこで、これらのアルバムをスキャンしデータとして「保護」しよう、ということで私たちが活動しております。

また、洗浄できない状態の写真も多く、さらに、日数が経つごとに写真の劣化も進むので、早期に洗浄を行う必要もあります。データ化のみならず、洗浄も活動に含んでいるのはこのためです。

活動の手順は下のようになります。

写真・アルバムの状態の確認(洗浄可能かどうか)
↓
バラの写真とアルバムに仕分け
↓              ↓
バラの写真場合   アルバムの場合
↓              ↓
写真の洗浄      表面の泥をとる
↓              ↓
乾燥            ↓
↓              ↓
ナンバリング       ↓
↓              ↓
アルバムに入れる    ↓
↓              ↓
(※展示公開1 持ち主がわかればお持ち帰りいただく)
↓              ↓
データ化(基本的にデジカメで撮影。(特にデジタル補正に力を入れたいもののみスキャナで取り込む。))
↓
(※展示公開2 持ち主がわかればお持ち帰りいただく)
↓
劣化した画像の補正(完全復元ではありません)
↓
印刷
↓
希望者の方にお渡しする


現時点では、データ化までは現地で行い、画像補正からは東京の本部(大妻女子大学)で行っております。

冒頭の写真は写真洗浄→乾燥の過程を山下中の生徒さんと一緒に行っているところです。
お近くの学校の生徒さんや先生、お勤めの方で、活動へのご参加に興味のあります方はコメント欄ご連絡ください。

2011年5月8日日曜日

写真救出の作業




本サイトではまだ説明していませんでしたが、私たちがやっている写真救出の作業は二つに分けられます。写真は作業風景です。

一つは写真自体の救い出し(写真の洗浄)、二つ目は写真のデータの救い出し(スキャンしてデジタル化)です。作業は大体、下のような行程になっています。

写真の洗浄
↓
乾燥
↓
スキャン・複写(デジタル化)
↓
写真の復元作業(完全復元ではありません)
↓
印刷
↓
持ち主の方にお渡し

ほかのボランティアの方とともに私たちがスキャンまでを行い、復元作業は東京でボランティアの女子大生が行っています。

12万枚って何枚?と思ってしまうくらい写真の数が多いので、この活動を拡げるべく動いております。新しいことが決まれば、またこちらでお伝えします。

12万枚を救えるか?

最近、「12万枚」の数字がちらついて、どうしても寝られない・・・。

これが重要なのは、単に12万枚こなせばいい、というわけではないこと。アルバムをあけてみると、1枚1枚に、思い出が、人生が、生活が詰まっていることがわかります。それは撮影された時の思いだけではない。写真をアルバムを前に、いろんなことを語り、想った歴史が紡がれてきたのでしょう。

自分たちが対面しているのは、12万枚の汚れた写真ではない。12万とおりの「思い出」なんだ。ひとつひとつが、代替のない、かけがえのないものなんだ。写真を前にすると、その事実がズキズキと突きつけられるからこそ、緊張するし、疲労もするのだろうな、と思います。

正直に申し上げて、自分たちにその技術があったとしても、すべてを救うことはできない。しかし、それに挑戦することはできる。全力でチャレンジしなければ、目の前の写真に申し訳ない。できることがあるのにしない、というのは良くない。学者としてのその責務だけで、前に進んでいます。

でも、もしかしてもっと多くの方が興味を持って参加してくれて、もっと活動が(それこそムーブメントみたいに)広がれば、12万枚に近づけるかもしれない。今より多くの写真・アルバムをサルベージできるかもしれない。

昨日も、twitterで知り合ったレタッチのプロが集まってくれて、多くの写真を見事に補正してくれましたし、今後の戦略も一緒になって考えてくれました。現地でも、自衛隊、東北大、山下坂元両中学校など、どんどん連携を広げ、必死の活動をしてくれています。

とりあえず、5/15に「写真・大洗浄会」を、5/21-22に「写真・大複写会」を決行する方向で準備しています。詳細は続報しますが、ぜひ多くの方に参加してもらえればと思います。どうぞよろしくおねがいいたします。

あと、多忙をいいわけにblog放置してたのが、実は筆不精なだけだったというのがばれて、αブロガーの方々から強く教育的指導を受けましたので(汗)、これから再び、強力な援軍に入ってもらおうと思います。皆さま、ごめんなさい。よろしくお願いいたします。

そうそう、一人じゃ何もできないんだから、できる人にやってもらえばいいんですよ。そしてその成果は皆で共有。これぞBJKクオリティw。